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【100プリ】瞳に映して

第1章 オムライス


ルイが口を開く。

「ご主人、そのコックは今どこにいるか
教えてもらえないか?」

「ん?ルイ様知らなかったのかい?

アイツはもういないよ。」

「えっ…!」

「病気してな。
ハワード邸を退いた後、
すぐに逝っちまった。
呆気ない最後だったな。」

「そうだったのか…
まったく知らなかったな。」

「無理もない。
ルイ様もまだ小さかった。

…そのソースの作り方を
聞くつもりだったんだろ?」

「ん…ああ…。」

「参考になるかわからないが、
アイツがよく言ってたのは
『素材の味を生かすには塩だ』
ってよく言っていたな。
特にトマトは、ともな。」

「それは本当か?」

アランが返した。

「ああ。
だから塩にはこだわっていたな。
特に好んでいたのは岩塩だったな。
ほんのり海の風味がしていいって
言っていたよ。」

「ありがとう。
だいぶ参考になった!」

「それは何より。
プリンセス、
ルイ様が昔食べていたオムライス、
再現できること祈ってます。」

「あ、ありがとうございます!」

(私が食べるんじゃないんだけど、
嬉しいな…。

それに…
歴史には載らないけれど、
ウィスタリアに暮らす人たちの
大切な歴史を知れてよかったな。

きっと人の数だけ
大切な思い出があるんだろうな…。

まだまだ知らないことばかり。
もっともっと視察していろいろなことを
知っていきたいな…。)

アヤセの胸の中に暖かな想いが広がる。

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