第8章 雨と幸運
適当にと言われて適当に過ごせる程、私は幼くはない。
床に荷物を置かせて貰い、端っこに小さく座る。
初めて入る烈さんの部屋は綺麗に整頓され、隅々まで掃除が行き届いているようだ。
埃1つ見当たらない。
「そんなにかしこまらなくて良いですよ。
お風呂沸くまで少し時間あるので、月本さんさえ良ければ僕と話して時間を潰しませんか?」
「ぜひ!」
烈さんとこんな風に話せるなんて、幸せ過ぎ!
「図書館へ用事だったんですか?」
「はい、まぁ。
私読書が好きなので」
「どんなジャンルのものを読みます?」
「うーんと…恋愛系が多いですかね。
基本どんなものでも読めますけど」
「恋愛はあまり読まないな…」
「もし良ければ今度オススメ紹介しますよ」
「本当ですか?ありがとうございます」
「いえいえ。
烈さんは本とか読んだりします?」
「しますよ。
僕はミステリーとかバトルものが好きです」