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Cage -檻ー【気象系サスペンスBL】

第16章 Limit


徐々に熱を帯びてくる頬が、ヒリヒリと痛む。

「痛い? …痛いよね? でもさ、こんなもんじゃなかったよね、結の痛みは…」

知っている…
マサキは全て、知っている…

でもアレは…

「ねぇ、どうやって結を殺したの? 教えてよ、サトシ」

マサキの手からドライバーが滑り落ち、代わりに空いた手が俺の首にかかる。

「やめ…て…、マサ…キ…」

俺の頬を涙が伝う。

「結もそうやって…今のサトシみたいに泣いて頼んだよね、助けてって…」

上体が引き起こされ、背中が壁に押し付けられる。

「違っ…アレは………グッ…」

俺の首にかかったマサキの手に力が籠められる。

瞬間、息の詰まるような感覚に、呻きが漏れる。

「結を…結がお前にされたことと同じ苦しみをお前に与えてやるよ…」

狂ってる…

「話を…聞い…て…」

ギリギリと首を締め上げる手から逃れようと、俺は藻掻きながらマサキの手を爪で引っ掻いた。

「…っ! てめぇ、っざけんなっ!」

マサキの手が緩み、隙を突いて逃れようと身を捩るが、腕を掴まれ、そのまま畳の上に上体が叩き付けられる。

「逃げてんじゃねぇよっ!」

畳の上に這いつくばった俺の上にマサキが跨る。

「楽には死なせないから…。言ったろ? 結と同じ苦しみ与えてやるって…」

両腕が捩じり上げられ、背中で一纏めにされた。 
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