第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「にしても女を取ったって……」
「心当たりが全く無いのだけどね」
やれやれと溜め息を着く。
「また心中を美女にお願いしたンじャあないのかい?」
「あー……いや。ここ最近はめっきり。正直、それどころじゃ無いほどに忙しかったし」
「心中ゥ!?」
眼鏡が割れそうな勢いで反応する。
「太宰さん、死にたいんですか!?」
「うん」
アッサリと返事する。
そんな太宰を驚いた顔で。
しかし、なにも云うことなく妙は観ているのだった。
こんな風に1日を終えて太宰宅に戻る。
夕飯は新八が作ってくれた。
「新八君も料理が上手だねぇ。お姉さん譲りかい?」
「………これはツッコミを入れるべきですか?」
「?」
首を傾げながら食べ続ける太宰。
「そう云えば太宰さんって自殺が趣味だと聞いたんですけど本当ですか?」
「本当だよ」
ニッコリ笑って答える。
「私の座右よ銘は『清く明るく元気な自殺』だからね」
「自殺に元気とか関係ない!」
「おっ!鋭いねぇー」
ケラケラ笑っている。
そして、難しい顔をしている人物に目をやった。
「如何かしたかい?」
「!」
太宰に声を掛けられてハッとする妙。
「……自殺なんて。よっぽど生きるのが嫌なのかと思って」
箸を置いて小声で云う。
「うーん。生きるのが嫌なのとは少し違うかな」
「では、何故?」
「『退屈』なのだよ」
「「え?」」
太宰の返答に志村姉弟の声が重なる。
「生きていることが退屈。ただそれだけ」
少し憂いを帯びた笑み。
「……でも昼間、ここ最近はめっきりって」
「ああ。アリスが居たからね」
食事を終えて手を合わせる。
「アリスさん……」
妙がポツリと呟く。
「そんな暇も無い程にアリスの事をみるのに時間を割いていたから」
「なんか、話ではかなりの問題児っぽいですもんね」
「そうなのだよ。目を離すと直ぐに何かに巻き込まれてるから」
ふふっと笑って答える太宰。
「アリスさんの面倒をみている間は自殺なんて考える暇がなかったってことですね?」
「面倒と云うかアリスのことを考えているだけでね。仕事を含めた他のことに一切、手が着かないこともあったよ」
「判りました」
そう云うと妙が立ち上がった。