第25章 職業体験(本番)
刃を合わせた次の瞬間
ステインが着地する先に居るだろう
倒れたままのヒーローに、マントを外してかぶせた。
そして予想通り、私の刃を弾きながら後ろへ跳び
同時に、マントごとヒーローを刃で突き刺そうとした。
がきぃん!!
ステイン「!!
…(刃が通らない?」
恵土「そういう特製品なんでね!」
どがぁっ!!
その直後…
ヒーローの上に乗る
乱取りのように凄まじく巧妙な動きをし合っていた。
刃を重ねる、上から刃が振ってくる。
上体を逸らして避けながら、右半身で殴りかかり
刃を取ると同時に振られ
それを避けながら足払い、
それを飛んでかわすと同時に振りかかる
流れるような無駄のない動き…
恵土「…エクシードと似てる動きだな」
ステイン「あれほど
体術や身体の扱いに秀でた奴はいないからな」
恵土「…褒められるのは嬉しいが
殺す行為そのものを義務と称するのは、甚だ許せん」
ステイン「それでも救うんだろ?本物の英雄(ヒーロー)だから」
恵土「当たり前だ!(きっ!」
ステイン「…そこがいい…はあ(にたっ」
そうして、そんな息付く間もない超高速連撃攻防は
戦いが始まってから、15分後まで徹底的に続き…
すかっ!
ステインに拳が当たる直前
一瞬で、ステインが消えた。
恵土「!!
この感覚は…空間移動!?
空無か!どこだ!?(きょろきょろ」
居なくなった場所に触れると
空間ごと空気が入れ替わった感覚がした。
こんな空間入れ替えは、空間を制する空無しかいない。
だが…
恵土「そうか。
保須市と違う所からか。
ここ、神奈川の端っこだから」
どんなに探し回っても、その日一日…
ステインが見つかることはなかった。
そうして、私は…
なす術もなく、事務所に帰ると
エージェントは未だに寝ていた。
ちょっと安心した。
恵土(徹夜してたらしいし。
帰るの、夜遅くになっちゃったけど;
まあ、それはそれで置いといて…
何が起きようとしてるんだろう。
赦せないものがあって、そのために戦ってるって感じがしたけど…
まあいいや。今は寝よう)
そう考えながら布団に入り、私は眠りについた。
明日にある、修業に備えて…