【HUNTER×HUNTER】pleats-プリーツ
第128章 128話
〈9月2日未明〉
夜も更けきった廃屋の中で、同じ目的を持つ二人が落ち合った。
縺れた配線を潜り、廊下の奥から現れた人物にヒソカは声をかける
「早かったね」
床に散らばったトランプカードから視線を上げると、そこに現れたのはクラピカだった。
ヒソカはクラピカに幻影旅団の情報を話すと、お互いの目的達成の為に協力しないかと持ちかける
「名前についても、何か知っているのか」
「あぁ…最近よく一緒に居るよ、キミの方が仲良しなんじゃないの?」
「…連絡先は知らない、奴等と共に行動している理由は知っているのか?」
「多分キミが想像している通りだと思うよ。…彼女は、全てを救おうとしている。」
ヒソカからの返答で、抱えていた推測に確信を得たクラピカ
信じがたい事実に戸惑いつつも、いずれ辿り着く近い先の未来を想い、拳を握りしめた。
「顔に出てるよ、心配なんだね。
そんなに彼女の事を想っているのに、意向は汲んであげないのかい?」
ここにきて、眉一つ動かさなかったクラピカが解りやすく反応を示している
その動揺が表している事、考えている事さえ手に取る様に解るヒソカはニヤニヤと笑みを浮かべていた。
「…たとえ名前の望みであろうと、蜘蛛をこの世にのさばらせる訳にはいかない」
暗く瞳を伏せ、俯くクラピカの携帯に着信が入る
センリツからの緊急要請に対応すべく、話は翌日に持ち越される事となった。