第14章 アップルパイよりも甘く ♥︎ 〜孤爪研磨〜
『け、んま…くんっ…』
「ねぇ結木…おれが、どうしてアップルパイ作ってって…言ったか分かる?」
突然の研磨くんからの問いかけに、あたしは目を丸くするしか出来なかった。
どうして、なんて…そんなの。分かるわけない。
「答えはね…簡単」
もう一度、ちゅ…と短く重ねられる唇。
首元へと降ってくるキス。
「おれが、結木のこと…すきだから」
そのままブラウスのボタンを外されて、鎖骨あたりに小さくキスマークが付けられる。
『え…うそ、嘘でしょ…?』
研磨くんの言葉に、頭がついていかない。
あたしを好きだから、好きなお菓子を作ってって言ったの?何それ…。
『嬉し…』
「答え合わせも済んだし…」
今度は結木のこと、食べていいかな。