白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
「姫凪は俺の女だ
手ぇ出すなよ、及川。
お前が思ってる以上に
俺は危険なんでね
姫凪に関してだけは、な
別に仲良くすんなとか
そこまで言うわけじゃない
距離感間違えんな
分かるよな?」
次はないぞって
ぶっとい釘を刺して来てる
「そうだね…」
分かってる
悪いのは俺でクロちゃんの言葉に
納得もしてる
ここで"ゴメン"って言えば
クロちゃんの言う"距離感"を
守って付き合って行けば
なにもかも上手く運ぶのも
分かりすぎるほど
分かってるんだ
なのに、なんで俺は
「でもそれは
姫凪ちゃんの気持ちが
そっちになきゃ成立しないよね?
もし、仮にだよ
姫凪ちゃんが俺を好きになったら
俺の手を選んだら
どうする?それでも
俺の指をへし折ろうとするかい?」
こんな挑発的な言葉を
吐き出してしまったんだろう
「なんだァ?
喧嘩売ってんのか?」
「仮にって言ってんじゃん
熱くなんなよ、黒尾。
人の気持ちに鎖は付けらんないからね
姫凪ちゃんが
俺を好きになっても
同じ事するのか?って聞いてるんだよ」