白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
姫凪ちゃんを俺達から離し
スタスタ歩く後ろ姿を
「…調子乗った。
ヤキモチ妬きでスマン」
「あぁ…俺も悪乗りが過ぎたね
別に深い意味は…ないから」
「…ないままでヨロシク。
じゃあ行きますか」
気まずい空気を残したまま追い掛ける
深い意味…か。
フワリと浮かぶ姫凪ちゃんの顔を
首を振って掻き消し
「ナナ…抱きたいな…
欲求不満過ぎる…」
必死にナナを思い出す
愛しさに変わりはなくて
会いたさも割増なのに
なんだろうね?
このモヤモヤした気持ち…
「クロちゃーん!
彼女に電話してから追い掛けるから
チョット待ってて!」
先に行かせて
ナナの番号をタップするけど
コール音しか返って来ない
「…岩ちゃんの彼女と
飲みにでも行ってみるのかな…
声、聞きたかったな」
大きく溜息を吐いて
三人を追い掛けた
「姫凪~
これ美味そうじゃね?
この刺し身!これも新鮮だし
煮付けとかにして~」
「チョット、さっきから魚多くない?
及川さん肉が良いなー
孤爪チャンは?」