白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第3章 消せない昔、消えない今(前)
"及川さん
お疲れ様でした"
17時少し過ぎ
皆が口々に俺に挨拶して
帰って行く
本当にお別れ会ナシ!?
そりゃ定期的に出張で来るけどさ!
数日だけど
毎日会議したり
飲みに行ったり
親睦深めたよね!?
「都会の人情は
紙切れより薄いね!」
閑散とした部屋に響く俺の声に
「まぁまぁ。
俺と姫凪が飯作ってやるから
スポンサー付きだから
豪華な晩飯だぞ!オイカーくん!」
クロちゃんの声が重なる
「皆が帰った途端
呼び捨てとか
カレカノ感出さないでよね~
昼休みは彼女と離れて
禁欲生活な俺の近くで
すげぇお盛んだったしさー
あんな所で乱れるとか
姫凪ちゃんって
ウブに見えて結構エロいんだねー」
イスをギシギシ鳴らして
クロちゃんを睨むと
「バカッ!
姫凪に聞こえたら
もう会社でエッチさせてくれなくなる!」
慌てて俺の頬を抓る
「知らないよバーカバーカ
会社でくらい我慢しなよ
家でヤリまくりのくせにさー」