白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第7章 新たな幕開け
『ありがと、クロ』
「大した事は出来ねぇけど
これくらいなら
いつでもどーぞ」
私の頭を優しく撫で
手を取るわけでも
肩を抱くわけでもなく
ただソッと隣を埋めて歩く
木兎さんの店は
closeの看板が下がり
シン、としてる
もちろん鍵も閉まってる
『木兎さん、まだなんじゃ…』
「いや、まさか…」
そう言いながらも
不安そうなクロの声を
「あれー?黒尾くーん?!
俺もってる!ヘイヘイヘーイ!
手伝って!寝坊して
準備間にあわねぇ!」
搔き消す大声と
「はぁ!?嫌だ!
店の個室借りに来ただけ!
無理なら良い!
巻き込むな!」
「なんだよ!ケチ尾くん!
いーよ!姫凪に手伝って貰うから!
行こうぜ、姫凪!
ご褒美は弾むから、な!」
びっくり行動
『え?木兎さん?!私も…』
手伝いが嫌とかでなく
それより優先したい事が
あるからで…
「なに?」
『えっと…今日、は…』
さすがにお人好し発動してられない