白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第7章 新たな幕開け
一度食いついたら
もうきっと離せない
キミの心なんか関係なく
俺に縋るまで
壊してしまいそうで
怖かった
必死で取った距離が
歪んでいってるのにも気付かず
キミの心を見れてると
自惚れてたんだ。
並べられた夕御飯を前に
二人で手を合わす
「うまそー
姫凪ちゃんって
家庭的だよね」
『これくらい
女子なら出来ます…』
まだ不機嫌が続いているのか
目を合わせないまま
お箸で肉じゃがを口に運ぶ
怒らせるつもりじゃ
なかったんだけど…
でもあまり近くなるよりは
これくらいの方が…
いやでも…
気まずいご飯は健康に悪い
そう思って
「可愛くて家庭的って
最強じゃない?
お嫁さんにしたいくらいだよ」
姫凪ちゃんにニコリと
笑いかける
これで少しは和む…
『そ、そうやって
すぐ軽口叩く!
揶揄わないで!
早く食べてください!』
和まなかった!
怒られた!
褒めたのに!