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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第7章 新たな幕開け


血を見てるだけで
貧血起こした気になる俺に

『見せてください
血が止まれば
大丈夫だと思うけど
痛みは長引くかも…』

救急箱を抱えた姫凪ちゃんが
近付いて手を取る

「うん…そうだね…
痛い…かな」

『私が頼んだから…
ごめんなさい…』

下がった眉毛が
心配そうに傷を見る瞳が
俺の沸点をグングン下げていく

「消毒するなら
こっちの方が良いな、俺は」

『え?』

「姫凪ちゃん
あーん…」

血が滲む指で
跳ね上げた顎

「血、垂れちゃう…」

グッと押し込んでしまった指
目を丸くして戸惑う顔は
更に沸点を下げていく

「痛い…舐めて?」

きっと舌で舐められる方が
痛いんだけど
昼に火傷の具合を見るのを
拒まれた事もあって
止まらなかった

『…ん、ん…』

「早く…ね?」

目を見据えると
オドオドしながら
舌が指の腹をなぞる

ザラりとした
感触が傷に響く
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