白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第7章 新たな幕開け
予想外にアッサリ
身を引いたクロちゃんにホッとして
給湯室を覗くけど
姫凪ちゃんは居ない
化粧直し、かな?
失礼だと思いつつ
女子トイレの前を行ったり来たりしてると
『…きゃ、ぁ!
及川さん!?』
慌てた様子で
出て来た姫凪ちゃんと
ぶつかった
小さい身体がヨロケて
倒れそうになるのを抱き止め
「慌て過ぎ。
火傷の方はどう?
少しは痛みひいた?」
さっきクロちゃんには
普通だったから
俺も、とリベンジのつもりで
姫凪ちゃんの口元に
手を伸ばしたんだけど…
『は、はい!
全然余裕…で、す…ッッ!』
「テンパり過ぎ。
何にもしないって…」
見事に撃沈。
オドオドして
今にも泣き出しそうで
何か手を出す前より
警戒されてるよね、俺。
『すいません…そんな、つもりじゃ…』
じゃあ、どんなつもりさ?
クロちゃんには
あんな甘えた声出してたのにさ。
…なんて、言えるわけないよね