第7章 新たな幕開け

『…あーん…』

さっきはあんなに
ドキドキした事も
躊躇なく出来るのは

「…大したことねぇと思うけど
結構赤いなァ…
氷舐めとくか？」

相手がクロだからかな

やっぱり私の中で
色々変化があったって事…だよね

『うん、そうする。
ヒリヒリしてるし』

「じゃあ先に給湯室行こうぜ
化粧直しくらいすぐ済むだろ」

『はーい』

「素直だねぇ
そんな無防備になったら
悪い狼さんにパックリ
食われちゃいますよぉ？」

私の横で
ニヤニヤ笑いながら

「氷口移しで
食わせてやろっか？」

なんて、耳打ってくるクロ

『ちょ！バカじゃない！？
一人で行くから
クロは戻っていいよ！』

「ハハッ！ジョーダン！
ほんっと可愛いね、オマエは」

私から少し距離を取り

「元気なかったみたいだから
気になってたけど
大丈夫みたいだな
…なんかあったら言えよ？
研磨ほどじゃないけど
上手く動ける…とは、思う」

ヨシヨシ、と頭を撫でる