白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第7章 新たな幕開け
「気を付けなくて良いよ
……俺の前でだけならね」
…ヤバ。
なんかキュンとしちゃったかも…。
呆れるわけでも
不機嫌になるわけでもなく
私の頭を優しく撫でて
「オヤスミ、姫凪ちゃん
…また明日」
そっと頬に唇を押し当てて
去って行く
『計算?
…だとしたらズル過ぎる』
まだまだ酔いの回った頭では
どう頑張っても
冷静な思考には繋がらなくて
期待だけ膨らんでしまう
『眠れそうにないよ…』
片付けの続きをしながらも
所々に浮かぶ
及川さんの姿
会いたくて堪らなくなっちゃって
心を急速に奪われてるのを
感じては酔いの回った
頭を振って後悔して
ベットに潜り込む
もちろんスヤスヤ眠れるわけもなく
結局ネット上に
無駄に足跡をつけて
浅い眠りを繰り返した
次の日の朝
『おはようございます…』
「布施さん、おはようございます」
無駄に早起きして出勤したら
部屋にはまだ赤葦さんしか居なかった。