白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第7章 新たな幕開け
『クロ最近すぐ帰る…くせに』
浸りたくなった思い出を
見て見ぬ振りして
私も笑って見せると
「研磨に呼ばれんだよ
暇だろ、つって
そのせいで寝不足だぜ、まったくよぉ!」
クロもニコニコ笑って
やっといつも通りの空気が流れた
その矢先
「こき使って悪かったね
特別手当出してるデショ
人聞きの悪い…
あ、姫凪
おれにもコーヒーちょうだい?」
後ろから掛かった
低い声
「ぅわ!イキナリ声かけんな!
てか、来るならアポ取れよ!
このワガママ社長め!!」
「いつもの事デショ
ねぇ?姫凪」
研磨くんが私の目をジッと見る
最近研磨くんの視線が
どこか鋭い気がする
私とクロを付き合う前から
知ってて色々協力もしてくれたから
当然と言えば当然なんだけど…。
『そうだね…』
その視線は
チクチクと私の心を
突き刺しているように感じて
研磨くんに
上手く笑えなくなってた