白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第7章 新たな幕開け
私も…
「姫凪ちゃーん
俺にもコーヒー!
オイカーくんじゃなくて
姫凪ちゃんが運んでね!」
『は、はい、黒尾さん!』
「サーンキュ。
あ、コレあげる。
受付の子に貰ったけど
俺には甘過ぎて
姫凪ちゃん
チョコ好きだろ?」
『うん、ありがとう…』
私も
チャントいつも通りにしないと。
そう思ってクロに笑いかけてみるけど
「最近疲れてそうだし
甘いモン食って
疲れ癒しなさいよ
…夜遊びは程々になァ」
『夜遊びなんてしてません!
黒尾さんこそ…』
やっぱりまだ
シッカリ目を見て話せない。
「俺?俺は健全ですよ〜
最近全然飲みに行ってねぇもん」
『そう、なの?』
「姫凪ちゃんは
飯付き合ってくんねぇしなァ?」
少し疲れて笑う顔が
私を見上げてイタズラに見せる笑みが
まだ心に残る未練を
グラグラ揺らしてくる
振り切っても
振り切っても
あの暖かい日々は
私の中で輝いているから…。