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白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18

第7章 新たな幕開け


前に聞いて
うろ覚えだった住所をコースターに書いて
二人分の会計と一緒に
岩ちゃんに押し付け
姫凪ちゃんの手を取って店を出る

眠さのせいか
酒のせいか
ポカポカ暖かい手

「眠くなったら寝れるように
姫凪ちゃんの部屋に行こう
お酒は途中で買ってあげるから
とりあえずタクシー乗ってね」

『…は、はい…』

夜風に冷やされたのか
座ってた目が少し開かれた

「嫌だったら
送ったまんま帰るから
タクシーに揺られながら
考えなよ」

止まったタクシーに乗り込んで
窓の外を眺めるフリして
窓に薄く映る
姫凪ちゃんを見つめる

本当はね
二人切りで口説いてしまいたい
無理矢理にでも
俺を刻みつけられたらって
思ってるんだ

でも、それじゃきっと
キミの心は手に入らないから
紳士のフリでも
気のないフリでも
なんでもするよ

焦りは禁物
ユックリ、じっくり
キミの心を手に入れる

なんて思ってたのが
この後
裏目裏目に出るなんて
思ってもいなかった
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