第29章 大事な人
次の日。あたし達は黒尾さんのバイクで一旦家に帰ってアイに餌をあげて自分の服を着て中央病院に向かった。
病院の受付で外傷を見てくれるところに受診して待合室で待っていた。あたしは自分のスマホで遊んだりして・・・
「天川さ~ん、天川夜琉さん診察室にお入りくださ~い…」
放送で呼ばれたからあたしは通された診察室に入って行った。なぜか黒尾さんもついてきた。本人曰く「俺はお前の保護者だからな」らしい
『失礼しま~す』
「こんにちは、ロイヤルサファイヤの松川さんから紹介状はいただいてます。じゃあこちらへ」
入った診察室にいたのは、白衣の女神を思わせる絶世の美女。なんともきれいな黒髪を靡かせて口元のほくろがまた・・・
「どうしたの?」
『えっ…あっ、いえ…///』
同性であっても魅了するのこの女医さんに見惚れながら奥の診察室に入っていく。
「じゃあ服を脱いでもらうから、お連れ様は退出してもらっていいですか?」
「…あっ…、はい」
女医さんは一緒に入ってきた黒尾さんにそう告げるが、黒尾さんも女医さんの美しさに見惚れていた。あたしは少しムッとして黒尾さんの脇腹を突いた。ヴッ…という低い唸り声をあげてから黒尾さんは早々に診察室を出て行った。