君を俺だけのものにしたい【Mr.FULLSWING】
第11章 兎丸の場合
「くぉんのー!バカヤロー!!」
まだごちゃごちゃ言ってるけど、そんなこと知らないもーんだ。
全速力で走る○○ちゃんはそれでも足が遅くて、砂に足を取られてよろめいて、揺れるスカートから覗く足は女の子走りってやつだった。
「さーん、よーん、ごー・・・。」
さて、ちゃっちゃと捕まえるとしますか。
スタートダッシュを決めようと低い姿勢になった途端、また潮風が吹いた。
「・・・あっ、白だ。」
潮風じゃないな、これは神風だ。
神様にも応援されてるんだから、どう考えても僕の勝ち決定。
「きゅー、じゅう!」
スカートの裾が降りたと同時に、僕の足は水を切り裂く。
素晴らしいスタートダッシュを決めて、僕は○○ちゃんの背中を追いかけた。
・・・こういうの、いいな。
そのうち僕達も大人になって、あの電車のおじいさんみたいにしわくちゃになるんだろうけど。
こうやっていつまでも、○○ちゃんと青春していたいな。
とりあえず、捕まえてチューしたら「白でしょ?」って聞いてやろうっと。