第11章 『デート』
「楽しかったな。」
千陽先輩が笑った。
「ど、どこがです⁉︎全然楽しくないですよぅ‼︎」
「いやぁ、お前のびびりようといったら…」
「千陽先輩‼︎ひどいっ‼︎」
お化け屋敷のことより私は千陽先輩の言いかけていたことが気になる。
でも…
今さら聞くのもなぁ…
「実音、次どこ行きたい?」
千陽先輩がこっちを見て言った。
私は…
大観覧車に乗りたい。
でも、スタッフさんの話しを千陽先輩も聞いてたんだよね〜
『カップルが一緒に乗ると結婚できる』
ってジンクス。
カップルなんかじゃないけど…
千陽先輩と乗りたい。
二人でゆっくりできそうだし。
というのは、言い訳だけど…
「千陽先輩は何に乗りたいんですか?」
「僕は…、『大観覧車』に乗りたい。」
私の思考が一旦停止する。
え
え
えーっ⁉︎