第11章 『デート』
「さあさあ、ジェットコースターのお時間ですよ〜‼︎」
私はウキウキ気分で千陽先輩を見た。
しかし、
「マジで乗るの…?」
千陽先輩は泣きそうな顔をしている。
「もっちろんですよ‼︎あ、帰ってきましたよ、ジェットコースター。」
「うううぅ…」
ガクッとうなだれたようになった千陽先輩は覚悟を決めたようだった。
『シートベルトをしっかりと装着し、レバーをしっかりと握ってください。』
放送が流れた。
もうすぐ出発だ。
「…逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ…」
千陽先輩がブツブツとつぶやく。
…あんたはエヴァ◯ゲリオンのシ◯ジくんか⁉︎
『それでは、出発です‼︎』
壊れた千陽先輩をよそにジェットコースターは出発する。
「み、実音ぉ…、し、死ぬぅ…」
私は千陽先輩の泣き叫ぶ声を聞きながら、ジェットコースターを楽しんだ。