ごめんね、素直じゃなくて【アイナナ】R18*完結*
第6章 好きだからキライ
砂浜についたのに楽は手を離そうとしない。それどころか更に力を込めてくる。
どうしよう
手を離したい、でも離したくない。
心臓が煩いくらいに動きだして困る。
ねぇ、楽……
お願いだから何か喋ってよ。
沈黙さえも耐えられない。
「なあ……聞いてもいいか?」
「……なに」
「おまえ……」
あの時の事を言ってくるの?
どうしよう……なんて答えればいい?
「太ったか?」
「はい?」
「この辺りに肉が……」
笑いながらほっぺをふにふにとつまんでくる楽に一瞬にして殺意がわくわよ!
「あんたね!!」
「冗談だ」
「笑えない冗談っ!
(実際に太ったわよ!あんたのせいでヤケ食いしましたよ!!)」
「なあ、」
ん?
急に真顔になんかならないでよ
「なんであの日……来なかったんだ?」
いきなり直球を投げてこないでよ。
まあ、楽には変化球は投げれないか……
(変化球が得意なのは天だよね)
「携帯も解約して住む場所もかえて俺の前から姿を消したのはなんでだ?」
「楽が裏切ったから」
「俺が?」
「そう……だから私は待ち合わせの場所に行かなかった」