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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第22章 それは2人だけの秘密/コナン


しばらくお互いの知る組織の情報について会話を続けたが、むしろコナンくんの方が詳しいくらいで私は「へえ、そうなんだ。」と繰り返すばかりだった。

「さくらさんにはジンとかウォッカみたいなコードネームってあるの?」
「多分ギムレット、っていうのがそれかな?組織の集まりとか出ないから呼ばれる機会はないんだけどね。」
「ああ、ギムレットってさくらさんのことなのか、どうりで灰原が知らないわけだ。」

1人納得したようにコナンくんは頷く。
そして、あのさ、と言い辛そうに口を開いた。

「さくらさんが持ってる薬のデータ、灰原にも渡してやれねーかな?2人でやれば早いと思うし、何より灰原はそれの開発者だ。力になれることがあると思うんだけど。」

確かに、それはそうだ。1人より2人の方が効率もいいし開発者がいればこれほど心強いことはない。
しかしそれはだめだ、と頭を振った。

「裏切ったら殺されちゃうかもしれないし、私。それにもし組織が摘発されれば私も逮捕されちゃうだろうから、悪いけどコナンくんに積極的な協力は出来ない。でも、コナンくんと哀ちゃんのことはリークしたりしないよ。折角出来た友達を売るような真似出来ない。」
「でもっ…!」
「もし完成したらこっそり2人の分の解毒薬は取っておくからさ。」

約束の指切りでもする?と小指を立てて差し出すとクスクス笑い声が聞こえてきた。

「さくらさんて組織の奴らっぽくないな。コードネームまで持ってるのに。」
「私は元々ただのしがない医者だからね。出来るだけ中立の立場でいようとは思うけど。」
ああでもそれじゃあイソップ童話のコウモリみたいになっちゃうかな、と呟くとすぐさまそれなら、と声が飛んでくる。

「もしあっちからハブられるようならこっちに来なよ。こっちには日本警察もFBIもCIAもついてるんだ、俺が口添えして悪いようにはさせないからさ。」
ニッとコナンくんはイタズラっ子のような笑顔を浮かべた。
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