第25章 太陽の欠片盗難事件/キッド
「そう、前に怪我してた彼を助けたことがあってね。」
「へえ。」
カレーライスをテーブルに並べる。
コナンくんは美味しい、と言って食べてくれた。
「ところでコナンくんはキッドの予告状の意味が分かったの?」
「ああ、大体は…」
「実は私もね、もしかしてっていうのがあるの。」
じゃあ答え合わせといきますか?とコナンくんはキッドの予告状のコピーを取り出した。
それ持ち歩いてるの?と聞くと、探偵としては一応ね、と笑顔で返された。
「世界の灯が姿を隠す時、これは3日後の月食のことじゃないかなって。」
「ああ、皆既月食だからその瞬間の20時8分に盗むってことなんだろうな。んで、大翼の飛びさる処、これは空港のことだと思うんだけど、病院からだと成田も羽田もほぼ同じ距離だから…そこだけがまだはっきりとは分かんねーんだ。」
コナンくんはぐしゃりと頭をかいた。
「ああ、それなら多分羽田じゃないかな。」
ぽろりとこぼすとコナンくんは驚いて顔を上げた。
「その根拠は?」
「飛びさる、でしょ?だから申の方角かなって。それだと大体南西だから羽田が該当するじゃない。」
駄洒落だから流石に違うかな、と笑ったのだがコナンくんはポケットから小さく畳まれた病院の見取図を取り出して広げると真剣な顔で考え込んでいる。
「なるほど。さくらさん、ビンゴだぜ。キッドは多分ここからやって来るはずだ。」
そう言って見取図の一部を指で示す。
「あとはこれをどうやって院長に伝えるかだけど…。」