第15章 猫王子と修学旅行
空港まで、本当に長かった。隣にではなく、月島がいたから。僕が無視しているにも関わらず、ずっと隣で喋って来た。
担任はニヤニヤしながら、赤司はやと思ててんけど月島やったんか…なんて言うから、ハサミを取り出しかけたまでだ。
『とうちゃーく!!!!皆のおかげで荷物軽くなったよ!飛行機の中でもお菓子交換しよーね!』
女子生徒「するするー!、席近くになろうや!」
男子生徒「俺も混ぜてー!」
男子生徒「俺らも!!噂によれば洛山の1年が多すぎて貸切にしたんやって!だから騒いでも怒られへん!トランプしようや!」
女子生徒「私もやりたい!!の前行ってもええ?」
奈央「隣はウチやからな!」
『わっはっは!青春だねぇ!トランプいいなオイ!皆でやろうぜっ!どうせ離陸してしまえば立ってもいいんだし。あ、けど乗り物弱い人はダメだかんなー』
男子生徒「弱そうやな」
『Shout up!!!酔った事なんか一度もねぇよ!!』
女子生徒「久しぶりに聞いたわ、その無駄に良い発音」
わいわいとがいる場所はいつも盛り上がっている。あの煩い場所に行きたいとは思わないが、がいる場所には行きたいと思う。
だがやはりそれは無理だった。飛行機の席でもの周りには人が溢れ変えり、一方僕の隣には月島がいる。至極不愉快だった。
先生「相変わらずの周りはほんまうるさいわ…ま、それがアイツの良いトコやねんけどな。赤司と月島は行かんでええんか?」
「僕は…」
麗華「私と赤司君はええんですよ。あんなお下品な集団に入ってもうたら、私達までお下品になりますからね」
先生「…ほうか。それでお前らが楽しんでるならええけどな」
…楽しんでるわけがない。のいる世界へ、僕も足を踏み入れたい。だが人生というものはそんなにうまくいかない。
静かになりたいと思い、僕は鞄から文庫本を取り出し、本の世界へと入ったのだった。