第12章 猫王子と体育祭
それから両親の元に行くと、なぜか全員で写真を撮った。いつもははしゃぐ体育祭も、この時だけは全力で恥ずかしかったりする。
『つ、疲れたぁぁぁぁぁ…』
奈央「あれ?アンタどこ行ってたん?」
『感動の再開をちょっとね…』
奈央「ふーん?あ、私の出番や。ちゃんと応援してな?」
『おうともよ~行ってらっしゃーい』
奈央「なんややる気起きへんなぁ。ま、行ってくるわ」
奈央に向かってひらひらと手を振る。奈央は運動神経悪いから出場種目は玉入れだけ。つーか高校生にもなって玉入れって…
『奈央ちゃんはいくつ入るのかね~』
「…1個だな」
『あ、王子。さりげに酷いよね、チームメイトなのに。バスケ部マネージャーだから入るんじゃない?バスケゴールと似てるじゃん、何か』
「だからこそだよ。あれだけ毎日見ているのに少しも上達しないのは、ある意味で尊敬するよ」
『…奈央が聞いたら関節技かけられるよ。ていうか赤司!アンタが余計な事言うから皆にいろいろ言われたじゃん!』
「いいじゃないか。だって事実だ」
『だってじゃない!春の機嫌悪くなって大変だったからな、もう』
「…どうして新城の機嫌が悪くなるんだ?僕だってそうだが」
『春は昔からそうなんだよね~。つーか春もだけど、赤司の機嫌が悪くなる意味が分からない。5文字以内で説明して』
「アホ」
『確かに二文字だけど答えじゃねーよ!つーかアホって何だよ!あたしの事か、あたしの事言ってんのか!?』
赤司は他に誰がいるんだというような眼で見てきた。口に出さない事が余計にムカつく!!!
奈央「あかん、1個しか入らへんかったわ。けど勝ったみたいで良かったわ、ホンマ」
「だから言っただろう?」
『…赤司様マジ赤司様』
奈央「何の話や?」
赤司の奴マジで個数当てやがった。何者だよ、マジで。つーかやっぱりドヤ顔腹立つ。殴ってもいいかな、うん。