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【イケメン戦国】紫陽花物語

第19章 温泉旅行へ*光秀エンド*



一日目、朝。
舟の上で食べられるように、宿の者に重箱を頼んでから、光秀は広間へ戻る。途中、きょろきょろと何かを探す三成と出会った。



「何か探し物か?」

「ああ、光秀様!家康様をお探ししているのですが…」



部屋にもいなかったのだと、三成は残念そうに肩を落とす。


さっさと逃げたな。


可笑しさをかみ殺しながら、考える素振りをしてみせる。



「散歩でもしているんじゃないか?玄関で待っていたらどうだ」

「はい、そういたします。ありがとうございます、光秀様」



心から嬉しそうに頷いて、足取り軽く歩いていく三成を見送った。一人になって、抑えていた笑いが込み上げる。


三成のあれは、ある意味俺よりも厄介だな。


外にいなくとも、宿の構造上、部屋に戻ろうとすれば玄関を通るより他ない。家康の反応が見たいところだが、生憎そこまで暇ではない。

広間へと戻ると、酒を飲んでいた信長が手を止め、若干引きつった顔をして光秀を見る。



「光秀。こやつをどうにかしろ」

「は…?」



信長の横には秀吉しかいない。手にもっているのは、空の杯。


ああ…。


「うっかり飲ませた。めんどくさくて敵わん」

「信長様にめんどくさいと言われても、私はいつもいつでも、どこまでも信長様のお側におります…!」

「分かった分かった…」



はああ、とため息をつく信長。ここまで信長が困っているのも、光秀は久しぶりに見た。


こいつも、俺よりよほど厄介だ。


その後、秀吉に無理矢理水を飲ませて休ませた。
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