第8章 野心を抱く者
「意外。
姫凪とチューさせろ
とか言われると思ってた」
『…ん…黒尾さんは
そんな感じじゃないよ?』
姫凪が遠くなる
後ろ姿に呟く
なに?この反応
「惚れちゃった?」
アニキに似てるっ言ってたし…
って。何回同じ所を
ループするんだよ。僕は!
『……蛍…!?』
「なんてね?僕だけだよね
信じてる。言ってみただけだよ」
『当たり前でしょー!
もう!蛍のヤキモチ妬きー!』
戯けて笑う姫凪を見て
僕も笑って
残り少ない休憩時間中
手を繋いで寄り添って過ごした
そこに居るのを確認するように