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第26章 帰郷


案内されて着いた先は、黒崎医院という個人病院。

「なるほど、家で営業してるのか…っと、えらく人が多いようだが?」

お邪魔させてもらってから中に入ると、そこには少し前に見たような顔ぶれが二つと、初めて見る顔が六つ。

「おお一護!!帰ってき…なんだ、お客さんか?今日は休診日のは…ず、で……」

中でも一番年長そうな、大柄な男が俺の方を見て固まった。
理由はそろそろもう分かる。

俺の背で眠る、この少女がここにいるからだ。

「……帰ってきた、のか…?」

「…初対面でいきなり悪いが、残念ながらこいつは俺のところで住んでんだ…返せって言われたってやらねえぞ」

「!これは…またえらくおっかなさそうな奴だな。あんた、相当やるな?……浦原のところに帰してやらなくていいのかよ」

「おい親父、事情も知らないかもだし言い方ってもんが「黙ってろ一護、そんな男の目じゃねえぜあれは」はぁ?」

いい目だ…そうか、黒崎…一護の父親。
もしかしたら、死神というのは…?

「そっちにはもう話がついてる。結婚式でヴァージンロードを歩いてもらうってところまでは話が発展してるさ」

「結婚式って…え、ええええ!!!?あ、あああんた澪ちゃんの…!?!!?」

「結婚相手だ、勿論強制したわけでもなんでもなく」

手袋を外してキラ、と光を反射するその印を見せてやると、黒崎父が腰を抜かす。
そしてざわめく周りの面々。

「わぁ、本当に澪さんだ!!結婚してたなんて知らなかった…ふふっ、可愛らしい旦那さんだね♪」

「手前殺すぞこのクソアマ……、あ、悪い、悪気はなかったんだが」

言った直後に気が付いた。
やべぇ、こいつもしかしなくても蝶と親しい奴なんじゃ…

なんて冷静になったところで、若干引いていた一護が俺に向かって反論しようと…したその時。

『誰がクソアマですって…、?殺せるもんなら殺してみなさいよ…』

「あ?お前起き…、ッて!!!?おい、首しまってる首!!!お前のことじゃねえよ!!!!」

『じゃあ何、いきなりクソアマなんて』

「人のことを可愛らしい呼ばわりしてきやがったそこの女に向けて言ったんだよ!!!」

『へえ、私がいないのに女の人と仲良くやってたんだ?誰よその女って、私が殺しに行…、?……あれっ、織姫ちゃん?』

「澪ちゃんに殺される…!!?」

これだからこいつの寝起きは…
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