第26章 帰郷
「…その大事な蝶からの、精一杯のプレゼントだそうだが…受け取ってやらないのかよ」
「受け取れませんよ、そんな大切なもの…」
「俺からの合意があってもか」
「………懐が広いにも程があるって言われませんか、貴方」
少し涙ぐんだような声になって、喜助さんは言う。
「蝶のファーストキスは、生憎だがとっくにもらってる…初めてもだ」
「…この子、とても純粋だったでしょう?……僕がしても、怖がられませんかね」
「大丈夫だよ、今でもびっくりするくらい純粋だから。未だに行為の後に恥ずかしがって隠れちまうくらいだ」
「……すみません澪さん、結局説得されちゃいました。…いい?」
『っ、…中、也…は…?』
俺はいいっつってんだろ?
と困ったように返す彼の手を取って、それから頬に触れさせて彼の優しさを感じ取った。
「…じゃあ中原さん、ちょっとこの可愛い子、暴れちゃわないように頼みますね?」
「ああ、任せろ」
しかし、一瞬にして何かの違和感を感じる。
あれ、こんなこと前にもあったような気が…?
私の腕を二本まとめて片手で動けなくする中也に、唇を塞がれた。
『!!?ッ、ふ…、っ…♡』
「…、っ…お前、一日浦原さんのもんなんだろ?…言うこと聞かなきゃダメだからな?」
『ッ、は…♡ふえ、…?』
そこまで来て気がついた。
私のタイツに手をかけて、それをするすると脱がされる。
「こんなの履いちゃってまぁ…恥ずかしがり屋も相変わらずだ」
『ひゃ、ッ…な、め…っ!!?…っあ…っ!!』
つま先にキスをしてから、足の指を丁寧に舌で撫でられる。
それが私にも見えるからまた、ゾクゾクする。
なにこれ、こんなの中也にもされたこと…
「へぇ、ここは食べられちゃわなかったんだね…まあ、こんな脚フェチ珍しいのかもだけど」
「俺が離れたら寂しがっちまうんでな…ちなみに、手の指はもうすっかり好きになってるみたいだぜ?」
『ひ、っっンッ!!!♡♡』
男の人の目になって、中也の舌に翻弄される。
「本当に敏感だなぁ…こんなに感じてちゃあすぐ濡れちゃ…!……あらら、そんなに気に入ったの?舐められるの」
つん、と下着の上から指でつつかれて、くちゅりと水音が響いた。
『や、ぁっ…み、見ちゃ…だめなの…ッ』
「ん〜、そう言われると余計に可愛がってあげたくなっちゃうなぁ…」