第26章 帰郷
『身体も、結構変わってる……ねえ、何したの?…誰にされた?そいつ、殺しに行っていい?』
抑えきれない殺気に、彼は少ししてから柔らかく微笑んで、私の頬に手を添えてから大丈夫、と口にした。
「心配しなくても…自力で勝ちましたから。他にも手伝っていただきましたけど…ちゃんと生きてます」
『…喜助さんが卍解使うレベルでしょう?何者?』
「…その話はまた二人の時にしましょ。…可愛い顔に力が入ってますよ?そんなに興奮しないの、大丈夫だから…」
『……私、喜助さんの力にもなれなかった』
ポツリとこぼした本音は、喜助さんにだけ聞こえていた。
「そんなことない。貴女が生きてくれているから、僕は死ぬ気で死なない方法を模索した…その結果です。何、義眼や義手じゃあない、造りかえただけなんだから」
『…何されたのかは教えてくれないの?私、読心術まで習得してるのよ?』
「参ったなぁ、これじゃあ澪さんの堪忍袋の緒が切れてしまう…聞いても自分のこと責めない?」
『…うん』
「本当?僕そこだけは貴女のこと信用してませんよ?」
『隠し事していいと思ってるの?』
「滅相もありません」
へらりと笑って受け流すその人は、困った顔で事実を述べる。
「少し強敵と交戦しまして…身体はちょっと深めの傷を。それから目は…潰されてしまって」
『…ふぅん?』
「ああもうほら、殺気で寒くなってきてますって…ね?聞かない方がよかったでしょう?元々怖がりなんだ、無理して聞かない方がよかっ…、」
『……喜助さんが好き勝手いじくっていいのは私の身体だけよ』
座り込んで背中を少し逸らしていた彼の上から、見下ろすように目を見つめて言い放つ。
「お、おお…お前らその雰囲気人前で出すな!!見てるこっちが恥ずかしなってくるわ!!!」
『何が?こっちは真剣…に、っ?』
「…お前、俺のもんになってること忘れた?」
『え…、あ、…っひぅ…ッ♡』
突然腕を引かれて抱き寄せられ、そのまま耳をパク、と甘噛みして軽く吸われた。
すぐに腰を抜かしてその人に寄りかかれば、ようやっと冷静になってくる。
『ぁ、…い、や…だって私の身体、はっ…は、ぁ…っ♡…あ…っ』
「必要な時以外は認めねぇよ…言ったろ?離してやるつもりはねえって。お前、誰を自分のもんにしたか分かってんのか?」
『…っ、ちゅ、うや…さん…ッ』
