第25章 収束への旅路
『……中也さん、蝶の何が好き?』
「全部」
『…そういうのじゃなくて…、』
そんなに蕩けきった顔で聞かれましても…まあ俺のせいなんだが。
「…具体的に聞きたい?」
興味を持ったようにコク、と頷いた彼女に、順番に言いながら撫でていく。
「まずこの髪…お前のその目に、肌と…この唇と…」
声も、視線も、吐息も表情も、俺の捉えるもの全てが…そして俺に向けられるもの全てが。
『…も、いい…もう、いい……』
「この手も…腕も、脚も、胸も腹も全部…」
『ッ…、も、いいからそんなところにキスしな、…ひ、っ…♡…で、くだ…っぁ、…あ…♡』
「……俺の印でいっぱいにしても、綺麗なもんだ…吸われて感じた?エロガキめ…可愛らしいじゃねえか」
紅い花を各場所に咲かせて、もう原型をとどめずにはだけさせられている浴衣が尚彼女の肌を引き立たせる。
ああ、なんて美しいんだ…どこの世界に、こんなに俺を夢中にさせる存在がある?
愛なんてものを知らなかったような俺が、どうすればこんなにも情欲を掻き立てられる?
『…、ぁ…っ♡』
ゆっくりと撫でるように印を舐めると、そんな事にも力の入らない体をビクつかせて感じきる。
「……口開けろ、言った通りに全部食べさせてやるよ…残したら仕置き。大浴場行かずにこの場で犯す」
『ッ、…食べきったら、…?』
「…褒美に全力で抱いてやる…時間かけるから覚悟しろよ」
『それ、どっち道変わらないんじゃ、…ッは、…』
「お前を抱きてぇ気持ちに年齢なんざ関係ねえんだよ…昨日散々後ろ攻められててまだ足りねぇの?」
『ら、って…、玩具ばっか…、…?あ、れ…ッ?』
記憶が正常に機能し始めたところで、スプーンに小さく料理を乗せて、彼女の元へと運んでいく。
「中々ねえよな、好きな女にここまで徹底的に食べさせられる経験って…食えよ」
『…食べさせてくれるんでしょう…?………中也さん、蝶のこと好き?』
「…俺が好きでもねえ女にこんなことするタマに見えんのか?お前」
『言ってくれないの…?…もうダメ?もう、教えてくれない…?』
「手前それで確信犯ならマジで襲ってんぞ…好きだよ。…七つも年下でいくつも上のクソガキ愛してんだ、並大抵のしつこさじゃここまでならねえぞ…引くなよ?」
『引いた。ドン引き。頭おかしい』
「どの口が言ってやがるイカれ女…」
