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第25章 収束への旅路


「…何だよ、んな可愛らしく甘えてきやがって」

見事に気持ちよくさせられた挙句に、そこから更に追い打ちをかけて六歳の姿になって欲を吐き出させられ、一息ついているところに蝶は俺に抱きついてくる。

『…きもちよかった…?』

「……俺が気持ちよくなくて?なんでお前があんな苦ぇもん飲んでたんだよ…ちょっと休ませろ、流石にこれ以上は拙いから本当に」

深呼吸しながら少女の背中をぽんぽんと撫でる。

それから体を冷やさないようにと先程から何度も浴衣をかけてやるのだが…どうにもそれが気に食わないらしく、身じろがれてばかりいる。

『浴衣より中也さんの服…』

「お前本当にそれしかねぇのかよ頭ん中…って、あんまり好きじゃあないんだっけか?……羽織ってるだけでもいいから着てろ、風邪ひく」

『……やっぱり胸がないと嫌?』

「ブ、ッッ…!!!?」

突如純粋な瞳で聞かれた質問に反射的に吹き出した。

「んな、っ…お、お前は何をいきなり…っ!?」

『全然色気がないからドキドキしてもらえないのかなって思って』

「お前俺が今どんだけ必死に耐えてると思ってんだこいつ…!!!」

『…私を見る目に緊張が感じ取れない』

「いや、緊張以前にお前に手を出しすぎるわけには…っ、蝶さん…?……なんで泣く!!!?」

ぐす、とうっすら涙を浮かべながら泣き始める彼女にギョッとして、両肩に手を置いて顔をのぞき込む。

『だって…、だって、この浴衣大人用のSサイズ…!!』

「………は…?」

『やっぱりちっちゃいと嫌なの!?子供の蝶は嫌なの!!?』

「まて、お前なにをそんなに気にして…」

『…ちっちゃい蝶にはドキドキしない…?』

下から見つめられて目を潤ませられれば、もう持っていかれるしか道はない。

なんてことしてくれやがるこいつ、人が折角耐えてるってのに。

「してるから耐えてるんだろ…?…子供用の浴衣が手元に無いのは、単に間違えただけで………その姿のお前に欲情してる俺って大概だと思うんだよ、蝶…」

『…欲情、するの?』

「……お前俺のこと舐めてんだろやっぱり」

この俺が好きでもねえ女を連れて帰って育てるかよ。
わしゃわしゃと頭を撫でてやれば目を丸くさせて、彼女は予想外だったのか呆然とする。

その唇に口付けてから、今度こそ浴衣を羽織らせた。

「…だから、身体…あんまり冷やすな」
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