第25章 収束への旅路
『…届かない』
「そりゃあ六歳仕様じゃあねえからな、うちの台所は」
『…中也さんの異能で「却下だ、危ねぇ」…じゃ、じゃあ料理する時だけ元に戻「何か言ったか?」何でもないです…』
「お前、三日間そのまんまでいてくれるんだろ?さあ、存分に六歳児やってやがれ、たんと甘やかしきってやるよ覚悟しろ…」
当時できなかったような甘やかしを、三日間使ってやりきる気だこの人…。
『……中也さんてロリコンってやつ…?』
「幼女趣味はねぇけど相手がお前なら話は別だな」
『…まだリボンしてなくちゃダメ?』
「風呂入る時以外外すの禁止…それとも、そんなに嫌なら俺が外してやろうか?」
『そ、れは……恥ずかしい、です…』
「なんでそんなにマジで本気にしちまうかな…」
からかわれただけだったらしい。
これだからこの人は…
『悪い中也さんかっこよかったなぁ…あれ、私にも向けれる??』
「絶対に無理だな」
『どうして?喜んで好きなようにされてあげるのに』
「……俺はお前のこと痛がらせたり泣かせたりすんのが一番苦手なんだよ、知ってんだろ」
『…中也さんっていい人よね』
「お前にだけな」
『女の人相手にあんな風にできるのに、なんで私にはできないの?』
「……何、そんなに言って欲しいのかよ」
少しこちらを睨む彼に、えへへ、とはにかんで見せれば、観念したようにくしゃりと頭を撫でて、私を抱き上げて顔を寄せる。
「…お前のこと好きだからだ」
『…他には?』
「!!…、大好きだよ、これでいいか」
『へぇ、大好きなんだ??…それでいいと思ってる?』
私はあそこまで言わされるのに〜、
ケタケタ無邪気にはしゃぎながら言うのは効果てきめんなようで、すぐにうなり始める中也さん。
日頃の行いによる報いだ、これくらいの仕返しあってもいいだろう。
「…お前こういうとき本当いい性格してるわ…腹黒イカれ女…っ」
『何それ、悪口?変態さ…ッン…ぁ…、…っ…な、に…?』
口をキスで塞がれて、言葉を遮られる。
少々恥ずかしくなるのを隠しながら問うと、あちらもほんのりと頬を赤くして、待ち望んでいた言葉を口にした。
「照れ隠しだっつの…口が悪いのは諦めろ。……愛してる…、蝶…」
『……えへ、…ッ、嬉しい、なぁ…っ…、嬉しいん、だ…ッ』
どうして泣きたくなるんだろう。
嬉しいのに…
