第25章 収束への旅路

『…蝶もうお嫁に行けない』

｢そりゃそうだろ、とっくに俺のなんだから｣

恥ずかしがって目も合わせてけれなくなった。
俺に抱きついて思いっきり顔を胸に埋めているから。

なんで微塵も嫌がる素振りを見せないのか、俺でも心配になるくらいには疑問なのだが…こいつも大概頭がおかしいから、そういうことだと片をつけることにしている。

どの口が俺に向かって頭がおかしいだなんて言ってるのやら。

『そ、…いう、のは……あんまり、言わないで……いいの…』

｢…言われて嬉しいくせに？｣

『！！！う、嬉しく…ｯ……うれ、し……けど…』

｢おーおー、素直んなった。やっぱりこっちの方が可愛いぞお前｣

まあ照れ隠しに違うって否定してしまうのもまた一興だが。

『ふ、え…ｯ、…中也さんのそういうとこきら…、すき…〜〜〜っ』

｢よく耐えたな今、えらいえらい。もっと可愛くなった｣

『ふえええええ…っ』

恥ずかしさに耐えきれなくて、もはややけくそになったように甘えたになり始める。
うん、待ってました。

俺多分この瞬間のために生きてきたんだよな。

賢者タイムならぬ澪さんタイムだ。
泣きついてくる腕の中の少女がもう可愛くて愛らしくて仕方がない。

優越感と満足感に浸れるこの瞬間のため、蝶には申し訳ないが頭ごとぶっ飛んでもらっているわけなのだが…まあ、それ自体は本人は嫌ではないらしいのでよしとする。

流石に最近は気絶させないように調節するようにはしているが。

『ち、中也さんて…い、つも……その、してるの…？……蝶が寝てる間に…その…』

｢キス？｣

『！！！』

聞き返しただけでもビクッと反応を示し、耳まで更に真っ赤にさせて悶えたように声になっていない声を上げる。

控えめに言って今すぐ襲いたい。

｢さぁなぁ？……どっちだと思う？｣

『……中也さんは、そんなの…しな…し………』

否定したいのだろう。
だが、さすがは俺のことをよく分かっているだけあって、否定するのを躊躇い始めた。

そうだ、今この少女が引っ付いている目の前の男は、こいつにとって恐らく世界一の変態なのだから。

｢…じゃあ、逆にどっちだと嬉しい？｣

『え…、…！！！？』

｢素直に言ってくれたらもっと蝶のこと好きになっちまうなぁ…｣

『……ぁ、う…っ…』

＿＿＿＿して、て…ほしい……です…、っ…？