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第22章 云いたかったこと


渚君の深いキスで意識が完全に触手から解放されたカエデちゃんから、今度は私が能力で触手を外に移動させる。

もう大丈夫、これで…カエデちゃんも、ちゃんと生きてる。

私に抱きつくようにして気を失ったカエデちゃんが膝に倒れ込んでくる。

「……茅野、は…?」

『…大丈夫、すぐに目覚め「白石さん!!!どうしてこんな無茶なことを!!!」!…こ、殺せんせー…』

「どうして戦闘の最中に入ってきてしまうんですか貴方は!!?そんなところ中原さんに見られてみてください怒られますよ!!?」

思いっきり目の前でやってたなあそういえば…え、もしかしてこれ本当に怒られちゃうかな?

「王子様~…キスで目覚めさせるなんてなあ…」

「か、茅野にはまた謝らなくちゃだけど…」

中村ちゃんとカルマを筆頭にいじられる渚君。
私としてみては大正解だったと思う上に…身に覚えがあるから最大の有効手段だったと思うのだけれど。

一瞬、渚君のところにいるカルマから視線を感じた気がして、思わず逸らした。

「…」

『……殺せんせーだって、無茶なことするつもりだったんでしょう?…それに私はほら、何ともないから大丈____』

言いかけた時だった。
私の体が、おかしな力に引っ張られる。

力…いや、これは……触手…!?

『な、ッ…!!?』

急いで能力で脱出すれば、その正体が明らかになる。
それと同時に、血の気が引くような事態が起こっていた。

「白石さん!?今のは何が…」

『……ッ、に、してんのよ……っ!!触んないで!!!!あんたなんかが!!!』

「!蝶!?何言っ…て……」

少し離れた、丘になっているところから。
私の愛しい人が、意識のない状態で…胸ぐらを掴んで、持ち上げられていた。

シロ…否、柳沢に。

すぐさま能力で中也をこちらに移動させ、殺せんせーの元に預ける。

「にゅや!!?何故中原さんがこんな…っ!?何故貴方ほどの人が意識を…」

『あんたなんか…っ、してやる…!殺してやる!!!』

「白石!!?…って、あれ聞こえてねえぞ!!?」

二人いる内の片方を壁で囲って動けないようにし、自身の体にも壁を張る。

それから柳沢の両手に壁を張ると、相手の首を両手で掴んでそのまま地面におさえつけた。

「く、っ…怖いことをするなあ……化け物が」

『うるさい!!!今すぐ八つ裂きにしてやる!!!!』
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