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第11章 縁というもの


「あ〜…美味かった……」

『洗い物しながら惚気けるのやめてもらっていいですか』

「いいだろ、久しぶりに食ったんだ。そんな照れんなって」

『照れてない…』

夕食を食べ、片付け中になってもまだ美味しかった美味しかったと言い続ける中也さん。
いや、嬉しいけど…そんなに言い続けられると恥ずかしい。

決して照れてるわけではない、恥ずかしいだけなのだ。

「説得力ねえよ残念ながら」

洗い物を終えてその場から離れようとすると、後ろからギュ、と抱きしめられる。

腕ごと押さえられてるから私は動けないのに、なんでまたこんなタイミングで…

『……中也さん離してよ』

「お前あんだけ可愛かったのに、結局キスしてなかっただろ」

『い、いいでしょそれはもう…っ、は、離れて?なんかその……ッ!』

肩をビクつかせると、さも何事も無かったかのようにしてどうしたよ、と声を出す中也さん。

どうしたよじゃない、この体勢だめだ、弱いとこばっか中也さんに向けてるからろくな事がない。

『どうしたじゃな…ひ、ッ……や、やめて、息吹きかけな…ぁっ』

「こりゃあいい。よし、お前これから素直んならなかったらいじめてやる事にするわ」

『へぁ!?何それ、こんなのばっかや…~〜ッ!!』

項にキスされて、舌で少し舐められた。
舌でされるの、ダメなのに。

「嫌じゃねえだろ、そんな反応してんのに。恥ずかしがってねえで好きって言ってみろよ」

『!!恥ずかしがってるんじゃなくて本当にこれ嫌でッ、ぁ…っ、ねえ、やだっ!こ、れ…ッ、感じちゃ……』

言いかけたところで中也さんの唇が離れる。

「へえ、感じてんのか」

『誰のせいでこんな感覚にまでなったと思って…っ、ぁ……、んっ!』

片腕で抱きとめられながらもう片方の手から解放され、かと思えばその手で今度は緩く私の項をなぞり始める中也さんの手。

舌でされるのはちょっと刺激が強すぎるけど……指で優しく撫でられるの、なんか好き。

おかしい、最近本当に身体がおかしい。
どんどん中也さんのせいで変な感覚になっていってる。

項優しく撫でられて、ゾクゾクってなるの好き…撫でられるの、好き。

「随分気持ちよさそうにしてっけど?」

『ぁ…こ、れは…好き……っ』

「ほぉ、こんくらいのが丁度いいか。そろそろ身体が覚えてんな?」

『……ッ、これ、すき…っ』
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