第15章 タイガーリリー
「んー…これかなぁ~…」
ヘッドホンに聞こえてくる曲をプレイヤーを弄びながら、何度も入れ替えてみる。
「いやあ…ちょっと違うなあ…」
新しいアルバムに入れる自分のソロ曲の候補を選んでる。
「こっちかなあ…」
移動車の中で、何度も何度もそうつぶやきながら、別の曲を選んではまた前の曲に戻す。
前回はアダルトな感じにしたから、今回は爽やかな曲調で行こうか…
またプレイヤーを弄って、目的の曲を探し出す。
「んー…」
隣に座るニノは、ずっとゲームをしてる。
「ねえ、ニノ」
「うん?」
ちょっと赤くなった目を上げて俺を見る。
集中しすぎ…
「ニノはソロの曲決まったの?」
「うん。俺、今回も自分で詞書いたよ」
「曲は?」
「曲も作った。今、編曲してもらってる」
「そっか…」
「クリスマスの曲にしたんだ」
「そりゃ、ツアー狙ってるな…」
「はは、まあね」
今回はデジタルな感じでっていう注文を付けられてるけど。
ムシムシしてる外気をちょっと感じたくなって窓を少しだけ開ける。
生暖かい風が少しだけ車内に流れる。
「なに?煮詰まってるの?翔ちゃん」
「まあね。何がいいんだかもうわかんなくなった…」