第11章 グレイscene4
「翔くんっ!山の日だって」
「ねー!智くん、これは俺達の日ってことだよね」
今日は久しぶりのレギュラー収録日。
楽屋に貼ってあったカレンダーを見ながら、リーダーと翔ちゃんが見つめ合ってる。
「でも…この日、翔くん居なくなっちゃうんだよね…?」
「智くん、寂しい思いさせてごめん…」
「ううん…お仕事だもん、しょうがないよ」
その日はオリンピックの取材で、翔ちゃんが日本を離れる日だった。
「でもさ…これって…俺達の記念日だよね?」
「翔くんっ…」
「智くんっ…」
二人はいきなりがばっと抱き合って、そして踊りだした。
「記念日っ♪記念日っ♪」
まるで日本国民全員が”山”の二人を祝うのだと言わんばかりの喜びように、俺達はあっけにとられていた。
「別にリーダーと翔くんの日じゃねえよな…?普通にマウンテンの日だよな…?」
3人掛けのソファの端にいる潤がぼそっと呟く。
「えー…でもいいなあ…」
俺の隣に座ってゲームをしていたはずのニノが顔をあげていた。
「え?なに言い出すの…」
「だってさ、なんか特別じゃない?なんで俺達の風の日ってないんだろ」
「風の日って確か無かったか…?」
「あるけど、山の日みたいに国民の祝日じゃないじゃん!」
そういうとニノは冗談なのか本気なのかわからない感じで、拗ね出した。
ソファの端と端にいる俺と潤は目を合わせた。