第11章 グレイscene4
「翔くん、飲んでる?」
JAPONISMツアーの打ち上げだった。
ドームから場所を移して都内の居酒屋を借りきっての打ち上げ。
成人してるジュニアやスタッフさん、大勢が集まった打ち上げになった。
「潤…お疲れ…今回もありがとうな」
「なんだよ…気持ちわりいな…」
壁に凭れて休憩している俺の横に座ると、潤はこくりと烏龍茶を飲んだ。
「終わったね…」
「うん…でもまだアリーナあるしね…」
「だね。また、よろしくね…」
握手を求めてくる大きな手を握った。
「こちらこそ、よろしくな」
にっこり笑うと、潤はその手を引き寄せた。
「えっ…ちょっと…」
潤の胸に倒れこむと、背中に手を置かれた。
「顔が疲れてる…少し寝なよ…」
「大丈夫だから…やめて」
「誰も見てない」
「でも…」
「明日、振り落としなんだから…休んでおきなよ」
昔から…こういう強引なところがある…
「だめだよ…潤…」
そう言うと、手は離れていく。
「ごめん…」
「ううん…」
起き上がって立ち上がると、潤を振り返る。
「明日は、雅紀と一緒にスタジオ入るから」
「…ああ…わかった…」
…こうやって釘を差しておかないと…
暴走する潤を止められなかった…