第11章 グレイscene4
「ねえ、潤くん~」
「んー?」
「夜食ー」
リビングのソファに凭れたまま和也が駄々をこねる。
「なにが食いたいの?」
メガネを外して文庫本をテーブルに置くと、立ちあがった。
「わあ…作ってくれるの?」
「もー…和也、作る気ないだろ?」
「だって潤くんが作るほうが美味しいもん」
「おまえだってやる気出したらうまいのに…」
こんな話をしているのに、ゲームから目を離さない小僧を後目に、キッチンに向かう。
冷蔵庫を見たら、なにもなかった。
「んー…どうしようかな…」
チルドルームを開けたら二種類のチーズが入っていた。
「チーズリゾットでも作るか…」
フライパンを出して早速準備にとりかかる。
冷凍していた玉ねぎのみじん切りがあった。
「これなら早くできるな…」
フライパンを熱してる間に玉ねぎを解凍して。
その間に材料を準備する。
チーズににんにく、牛乳に隠し味のお味噌。
昨日の夜開けた白ワインの残り…それから…
「なに作るの?」
「んー?チーズリゾット」
「わあ…カップラーメンでいいのに」
「いいよ、すぐできるから」
「んふ」
和也はとてとてっと歩いてきて、後ろからぎゅっと俺に抱きついた。
「潤くんだーいすきっ」