第11章 グレイscene4
アリーナツアーも終盤を迎えた。
俺のアプローチは日に日に激しさを増すのに、一向に潤は気づかない。
メンバーは皆きづいてるっているのに…
長野の初日が終わってホテルに戻る移動車の中。
潤はくたびれて俺にもたれかかって眠ってしまった。
ホテルに着いてもまだ寝てるから、俺が担いで部屋に入ることになった。
「襲うなよ」
雅紀に言われてはたときづいた。
「いや、襲ってもいい?」
「えっ…」
俺、潤に好きだって言ってねえ…
鈍いんだからさ…言わなきゃ伝わんないだろ!
「翔ちゃん!」
「いや…冗談。でも、告白する…」
ごくりとメンバーが唾を飲んだ。
「が…頑張れ」
「応援してる」
「こ、コンドーム要る?」
なんで仕事先なのに持ってんだと雅紀の頭をしばいておいた。
でも一個もらっといた。
ホテルの部屋に潤を担いで入れて、ベッドに寝かせた。
「潤…?起きろよ」
「んー…?」
「起きろ!」
「はっ…はいぃっ…」
潤はがばっと飛び起きた。
「あ…あれ…?ホテル…?」
「お疲れ。おまえ、バスん中で寝ちゃったんだよ」
「あ…翔くん運んでくれたの?ありがとう…」
目を擦りながらぺこっと俺に頭を下げた。
「いいんだよ…それよりさ、潤」
「んー?」
にひゃっと潤は俺に笑いかけた。
「俺、おまえが好きだ」
「んー?…?…?…?」
がしっと潤の顔を両手で持った。
「だ・か・ら、俺、おまえが好きなの。愛してる。ジュテーム。あいらぶゆー」
「え?」
寝起きでまだよく回らない頭を必死で回転させて、やっと出てきた答え…
「俺、男だけど…?」
がくーっと項垂れてみた。
「翔…くん…?」
そっと俺の頭に手が載せられた。
「あ…だからこの前から俺に親切にしてくれてたの…?」
なんだ…わかってたのかよ…
顔を上げると、顔を真っ赤にした潤が居た。
「あの…俺ね…すごく嬉しかった…」
「え?」
「なんか…昔に戻ったみたいだったから…」
ぎゅっと潤は俺の手を掴んだ。
そして極上のとろける笑みを見せた。
「だから…俺…いいよ…」
「へっ!?」
「翔くんのこと、大好きだもん!」
ゆっくりと潤の顔が近づいてきた。
キスする寸前、潤が呟いた。
「鈍くて…ごめんね?」
「ほんとだよ…」
その夜、俺の純情は成就した。
【END】