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カラフルⅢ【気象系BL小説】

第11章 グレイscene4


寝室に戻ると、ちょうど食べきったところだった。

「よし。いい子だったな。ほら」

俺はさっき作ったものを差し出した。

「わ…エッグノック…」
「これ飲んで、もいっかい汗かいて寝たら治るだろ」
「うん…ありがと…」

マグカップを受け取って、和は大事そうにそれを飲んだ。
その間に俺は食器を下げて、軽く水に浸しておいた。
戻ると、まだ和はエッグノックを飲んでいた。

額に手を当てたら、大分マシになってた。

「よし…寝ようか…」

マグカップを受け取って、和をベッドに寝かす。

「じゃあ俺、リビングに居るから。なんかあったら呼べよ」

そう言って背中を向けた瞬間、シャツの裾を引っ張られた。
がくんと身体が後ろに傾くほど、強い力。

「和…?」

真っ赤な顔して、和は口を真一文字に引き結んでる。
なにか…我慢してる顔…

「どうしたんだよ…?」
「別に…」

ぷいっと横を向いてしまった。

俺は手を外すと、そっとベッド際に座った。
和の髪を撫でながら、一体どうしたのかと考えこんだ。

「和…?俺、鈍いからさ…言ってくんないとわかんないよ…?」

そう言うと、やっと和は俺に視線を向けた。

「……て?」
「え?」
「…離れちゃ…嫌……そばにいて…?」

小さな、小さな声だった。


そうだった…
和は自分の本当の気持ちを出すのが苦手で…
寂しいとか、そばに居て欲しいって、自分で言い出すことができないんだった…


ベッドサイドのテーブルにマグカップを置くと、和の隣に潜り込んだ。

「大野さん…」
「うん…ごめんな。傍に居るから…」

頭の下に腕を通して、ぎゅっとその体を抱きしめた。

「ありがとう…」

俺のシャツを掴むと、身体をぴったりとくっつけてきた。

「だいすき…」

和の髪にキスをすると、ちゅっと一回だけ唇にキスをした。

「俺も、だいすきだよ」




そのキスは、エッグノックの甘い味がした。




【END】
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