第11章 グレイscene4
テレビでオリンピックに見入る後ろ姿。
見つからないように、こっそりと俺は行動開始。
グラスに注いだビールにこっそりと小瓶から一滴、媚薬を垂らす。
「あー…現地に居たかったなぁ…この瞬間…」
ため息をつくように漏らす言葉にどきっとしながらも、その背中に近づく。
「ビール持ってきたよ」
「あ、ありがと雅紀」
雫の滴るグラスを取ると、一気に煽る。
またテレビに見入ると、高揚した顔をしてる。
つまんない…
そりゃ、翔ちゃんの大事な仕事だけどさ。
せっかく俺といるのにさ…
隣に座ると、じっと翔ちゃんの横顔を眺める。
こんなに穴が開くほど見つめてるのに、一向に俺の恋人はお構い無しで…
「ふん」
つんっと脇腹を人差し指で突く。
びくうっと身体がはねあがる。
「うわっ…」
「どうしたのさ」
「い、いや…」
おかしいなあと首を傾げながら、またテレビに視線を戻す。
ふふ…
媚薬、効いてきた。
風呂あがりのバスローブ姿のまま。
このまま翔ちゃんには乱れてもらおう。
そんで…ふふ…俺は…気持よくしてもらうんだぁ。
また人差し指で、今度は腿をつつっと撫でる。
今度はさっきよりも大きく身体が震えた。