第11章 グレイscene4
「はいっこれ!」
「え?」
「開けてみて!リーダー」
相葉ちゃんがわくわくした顔で俺のこと見てる。
横浜アリーナの控室。
朝一で、まだメンバーは揃っていない。
白い箱を大事そうに差し出されて、戸惑いながらも受け取る。
「約束してたでしょ?」
「えっ?」
そっと箱の蓋を開けると、そこにはガトーショコラ。
「あ…これ…」
「そう。しやがれで俺が食べたやつだよ」
「相葉ちゃん…」
「お取り寄せしようねって約束したけど…昨日ね、母さんが買ってきてくれて」
「えっ?だって予約しないと買えないんでしょ?」
「俺が…お願いしておいたの」
そう言って相葉ちゃんは俺の鼻を人差し指でちょんっと突いた。
「リーダーと食べたかったから…」
「相葉ちゃん…」
「ふふ…後で、食べようね?」
「うん…」
相葉ちゃんは俺の肩をぽんと叩いた。
「…ありがとう…」
触れられた肩があったかい。
相葉ちゃんは…こうやっていつも俺の心をあったかくしてくれる…
立ちあがった相葉ちゃんの後を目で追えば、控室に入ってきたニノとじゃれあってる。
いいな…
俺には、あんなじゃれ方できない。
こつんと白い箱を爪で弾く。
ちょっと寂しくなった心を誤魔化した。