第11章 グレイscene4
「綺麗だよ…潤…」
「あ…翔くん…こんなところでダメ…」
「だって我慢できないよ…?」
「お願い…ハズカシイよ…」
恥じらう潤をパーテーションの裏に隠して、そっと壁に押し付ける。
「ほら…ここなら見えないだろ…?」
「でも…誰か来ちゃったら…」
「大丈夫。鍵締めたし」
「リーダーに見つかったら…」
「ふ…俺がそんなヘマするように見える…?」
「翔くん…」
コンサートの打ち合わせで使っているスタジオの空き部屋…
俺達の密会の場所。
俺たちは、秘密の情事を楽しむ。
ねえ、智…
本当にあなたは勘が鋭い。
やっぱり、本能ってやつかな?
敵わないなぁ…
本能で生きてる人には。
「翔ちゃん、おかえり」
「ただいま、智」
「遅かったんだね」
「そうなんだよ…専務に捕まっちゃってさ」
「えっ…来てたの…?」
「そう。また発破かけられた」
「そっか…疲れたでしょ。お風呂沸かしてあるよ」
「ありがとう…」
そっと智くんの腰を引き寄せて髪に口付ける。
「愛してるよ…」
本能で…
本能で生きてるあなたには、俺の気持ちは一生掛かってもわからないだろう。
あなたの溢れ出る才能に、嫉妬しない日はない。
だけど…
そんなあなたをこの手のひらに収めておかないと、俺は安心できないんだ。
だって、愛してる。
誰にもやらない。
触れさせない。
でも、憎い
憎いから、裏切る。
それは俺の、小さな復讐
【END】