第11章 グレイscene4
「翔ちゃんの嘘つき…」
深夜、ベッドで眠りに落ち際不穏な言葉が聞こえた。
「え…どうしたの?智くん…」
起き上がって背を向けている肩を掴んだ。
その手には俺のスマホが握られていた。
「え…?見たの…?」
「嘘つき…」
振り返ると、俺に向かってスマホを投げつけた。
「俺だけじゃなかったの!?酷いっ…」
滂沱の涙を零しながらベッドから降りていく。
「ちょっ…なんのことだよ!」
なんとかその腕を掴まえて抱きしめる。
「嘘つき…嘘つきっ…」
「智!落ち着けよ!」
「やだっ…離してっ…」
藻掻く智をなんとか抱きとめて、離さない。
「待ってくれよ…どうしてそんなこと思うの…」
「だって…潤…」
「え?潤?」
「会ってるんでしょ…」
「そりゃ…仕事があるからね」
「ちがうっ…ふたりきりで!会ってるんでしょ!?」
智くんは俺のパジャマを掴むと、力任せに俺を突き放した。
「あの日だって…翔ちゃんは仕事だって言いながら、潤に会ってたんでしょ!?」
「え…?いつのこと…?」
「潤の誕生日だよ!」
その日は確かに潤に会っていた…
でも…
「違うって…誤解だから…」
「なにがだよ…この日だけじゃない…俺が知らないとでも思ってるの?」