第6章 ノクターン
バスローブがはだけて脱げていく。
「俺の服どこ?俺、帰らなきゃ…」
「あんななんにもないところ帰ってどうするんだ!?」
「なんで?俺の家…」
「帰っちゃだめだ…ここに居るんだ」
「いやだ…こわい…かえる…」
「ニノ…」
ぎゅっと大野さんが俺を後ろから抱きしめた。
「落ち着けよ…ニノ…お前の家は、もうない」
剥き出しの背中に大野さんの体温。
暗い廊下でうずくまる俺を大野さんは抱き起こしてくれた。
「さ、寝よう…?な?」
俺の身体を支えながら、寝室に入る。
そっと俺を横たえると、バスローブを直してくれた。
その時、大野さんの電話が鳴った。
大野さんはベッドサイドからスマホを取ると、電話に出た。
「もしもし…はい…今、俺の家に居ます…はい…わかりました」
暫くそのまま話し込んでいたけど、電話を切ると俺の頭をなでた。
「ニノ、暫く仕事休みだって」
「え…?なんで…?」
「とにかく、一週間くらい休も?な?」
「そんな…」
わけがわからない。
今、休みを貰う理由がない。
「俺が…いらないってこと…?」
「何言ってんだよ」
「俺なんか居なくてもいいってことでしょ?」
「違うって…」